2016年06月01日

昭和乙ニュース(157)雪を食べ山に一週間 昭和38年

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 富士山に一人で登った会社員(23歳)が「右ももの骨を折り動けなくなった」。「(十月)十三日午前十時半ごろ」のことだ。

 ・・・どうしたか。「携帯用テントと寝袋で夜を明かし」つつ「十九日まで六晩七日」かかって「一寸きざみ」に進み、山小屋「芙蓉荘の二百メートル上までたどり」ついた。

 非常食を持っていなかったため、「食糧は(事故当日の)十三日」でなくなり、「六日間は雪を食べながら飢えをしのいでいた」らしい。

 幸いなことにアメリカ人宣教師ヤコブさん(47歳)に発見され、無事救出。「youは何しに?」「ハマナシとりに」・・・という会話はなかったと思うが、ヤコブさんは富士山に群生する「ハマナシ=浜茄子」を採りにきたのだ。

 地元の「富士吉田署」は、「山の経歴が浅いのに単独で登った」ことと「アイゼンなど冬山の装備や非常食を持たず、冬山を軽視したこと」が「遭難を招いた原因」という見解だが、「最低気温零下十度になる山の上でがんばり抜いた沈着さが自分自身を救った」とも言っている。

画像:朝日新聞/昭和38年10月20日

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2016年06月03日

昭和乙ニュース(158)ズボンプレッサー 昭和41年

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 ズボンやスカートをはさんでスイッチオン、「わずか15分でプレスが完了!」する「ナショナルズボンプレッサー」の新聞広告。

「はさむだけでパリッと折り目がつく」から、寝押しとはオサラバ。畳目の跡がくっきり移り込み、途方に暮れる朝を迎えることもなくなるというわけ。だから当時は、オシャレ青少年たちのあこがれの的。

 ただし、お代「デラックス形(タイマーつき) 現金正価6,900円」。タイマーなしでも「標準型 現金正価4,900円」也。当時、高卒初任給1万5000円、大卒初任給2万円ほどだったから、手軽に買える電化製品ではなかった。

 今どきのズボン、スカートは、折り目が消えにくいし、「パリッと」したいときはクリーニング屋の「折り目加工」を指定すればいい。昔の青少年よくらべたら恵まれている。

 つい最近、ナショナルはズボンプレッサー界から撤退してしまったが、需要低迷が原因だと思う。大手メーカーでは、唯一、東芝が収納可能な「横置き」タイプと据え置き前提の「縦置き」の2タイプを発売している。お代1万円ほど。

画像:朝日新聞夕/昭和41年4月7日

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2016年06月05日

昭和乙ニュース(159)朝日新聞の「新活字」 昭和32年

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『読者応答室から』は、読者から寄せられた朝日新聞に対する質問に回答するコーナー。昭和32年9月9日付朝日新聞に掲載されたのは、新聞に使われている活字に関してのもの。

 質問者は、「こども」欄に使われている「大きい活字」が他のページで使われる予定があるのか、さらに「普通の活字との違い」「名称」などについて知りたがっている。

 それに対し、朝日の答えはやや専門的。まず「普通の活字」のサイズについて、「縦が千分の八十八インチ」「横が同じく百十インチ」と回答。

 いきなり「インチ」で面喰ってしまうが、要するに「縦=2.2352ミリ、横=2.794ミリ」の「ヘン平形」というわけ。

 一方、「新しい活字」は「縦横ともに千分の百十インチ」。「縦、横ともに2.794ミリ」の「正方形」。「八ポイント(8P)」と呼ぶ。

 おかげで「普通活字は一段に十五本」入るのに「新活字は十二本」しか入らない。となると「記事の収容量が減っ」てしまうから、他のページでは使わないというのが回答。ちなみに質問部分が「普通活字」、回答部分が「新活字」。

 今どきはどうか。平成13年から使われている文字のサイズは「縦=2.9ミリ、横=3.7ミリ」。正方形でなくヘン平形。質問が掲載されたころは1行15文字だったものが、1行11文字に変更された。

「記事の収容量が減っ」てしまうから「新活字」は使わないと言っていたのにね。

画像:朝日新聞/昭和32年9月9日

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2016年06月07日

昭和乙ニュース(160)土地改良にダイナマイト 昭和28年

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 ミカン畑とダイナマイト・・・まるでセーラー服と機関銃のよう感じだが、ミカン大増産にはダイナマイトが欠かせないというお話。

 愛知県のミカン産地「知多郡上野町」(東海市)で実験が始まったのは3年前の「昭和二十五年」。

 土を深く耕す「深耕」にダイナマイトを使用すると「労力が少なくて土が柔らかく」なり、その結果、「根の発育良好で花もよくつく」ようになるらしい。

 この記事からでは具体的な発破の様子が不明だが、同じような方法で昭和26年に深耕を行なっていた長野県更級郡(長野市)でのレポートがある。リンゴ畑とダイナマイトだ。

 それによれば、「長さ1m、直径6cm位の鉄棒を深さ50〜60cmに打込んで穴を空けダイナマイト50gを仕掛けて爆破」。すると「硬い岩石混じりの畑では、約1.5m位深さ50〜60cm位の穴」が出来るから、あとは「有機物質を入れて土作り」なのだそうだ。

 でも普及しなかった。ダイナマイトは発破士(発破技士)の資格が必要になったからだ。トホホ。

 現在、ダイナマイトのお世話になっているミカンやリンゴはない。

画像:朝日新聞/昭和28年2月2日

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2016年06月09日

昭和乙ニュース(161)こどもマンガ 大学生に大もて 昭和40年

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 おそらく「ポンチ絵」世代だと思われる記者の、見事なまでの「上から目線」記事。要するに「今どきの若いモンは・・・」の昭和40年度版だ。

 記者にとって理解不能なのは、「日韓条約批准阻止の学生デモが練り歩いている」光景を目にする一方、その学生の間で「盆踊りの手ぶりが宙で停止したような珍妙な格好」をしながら「シェー」という奇声を発する挨拶がはやっていること。

「シェー」は、『おそ松くん』(赤塚不二夫)の登場人物イヤミが行なうギャグだから「珍妙な格好」なのも不思議ではないのだが、「学生運動=高尚」「マンガ=お下劣」と考える記者にとって、同居することが許せないらしい。だから、ひとくくりに「こどもマンガ」と言い切っている。

 今から30年あまり前、『センテンススプリング』のコラムに「電車の中で大人がマンガを読むのは日本だけ、とてもアキれる」という一文が掲載されたことがあった。書いたのは芸能活動を休止してニューヨークに滞在していた流行歌手。郷ひろみと言う。一文のほうにアキれたけど。

 記事の締めくくりは「学園のマンガばやり、<読まざる秋>の落し子でなければいいが・・・」。昨今、日本のマンガ文化は海外でも人気を得ているが、記者と流行歌手はどう思ってるんだろ。

画像:朝日新聞/昭和40年10月6日

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