2016年07月01日

昭和乙ニュース(172)パンピーオレンジ 昭和41年

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 今どきの中高年でコレを知らない人はいないだろう。「オレンジパンピー」というより「パンピーオレンジ」なんだけど。

 発売は昭和35年。製造していたのは「ピルマン製造株式会社」(明治乳業とカルピス食品工業、さらにカルピスの創始者三島海雲の共同出資で設立された会社)。

 当時のライバルは「バャリースオレンヂ」(昭和27年発売)と「プラッシー」(昭和33年発売)。いずれもオレンジ果汁入り飲料だが、「パンピー」だけが乳酸菌飲料だった。

 それでも「ジュース」を名乗っていたのはご愛嬌。当時、主婦連などの消費者団体による「不良ジュース追放運動」が盛んになり、ついにJAS法が改正。「果汁100パーセント以外は“ジュース”という名称で販売不可」となったのは昭和35年末のことだ。※この新聞広告は同年5月6日のもの。

 昭和43年、パンピー飲料製造に社名変更。同52年にパンピー食品に変更。一時期、meijiから「パンピーオレンジ」復刻版が出ていたが、現在は販売中止になっている。

画像:朝日新聞夕/昭和41年5月6日

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2016年07月03日

昭和乙ニュース(173)空振り五輪商戦 昭和39年

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「一兆円を越える大きな額」を投資したのが前回の東京オリンピック。「成功のうちに閉幕」となったが、「反動でガクンと不況になるのではないか」という心配があったようだ。

 もっとも、「東海道新幹線の建設費三千八百億円」が予算に含まれていたことと、「支出は数年間にわたるもの」だったからホンキの心配ではない。日本経済は「国民総生産二十二、三兆円」なのだから問題なし、というわけ。

 地方公共団体から「東京だけがオリンピックに便乗して公共投資を促進した」というやっかみがあったものの、「国内幹線道路網の整備など”地方重点投資”」も考えられているから、こちらも心配なしというわけだ。

 ただし、五輪商戦に関しては「空振り」確定。観光客が「十何万人」というのは希望的観測だったし、来日客が「外貨をバラまく」こともなかった。「日本の近辺には、金持国が少ない」からムリなんだと。

 では次回の東京オリンピックはというと、費用の試算は1兆8000億円(当初予算3013億円の約6倍)。リニア新幹線の建設費は入っていないから、ほぼすべてが準備運営費。でも国民総生産が500兆円もあるから、多分、大丈夫か。

 日本の近辺に金持国が多くなったから、五輪商戦も、多分、大丈夫。

画像:朝日新聞夕/昭和39年10月25日

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2016年07月05日

昭和乙ニュース(174)サンヨー洗濯機 昭和31年

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 機能説明に重点を置いたサンヨー電気洗濯機の新聞広告。この頃はメーカーによって洗濯の方式が異なっていたから、こぞって「わが社の優れた洗い方」をアピールしていた。だからイメージは二の次。

 三洋電機の洗い方は、パルセーターと呼ばれる羽根で水流を発生させて汚れを落とす方式(昭和28年に開発)。洗濯槽の側面に設置した「噴流式」と、底面に設置した「渦巻き式」の2種類がある。もっとも広告には「プルセーター」となっているけど。

 広告の「新考案 2段式水槽」とは、側面下部の「メインパルセーター(8枚羽)」で「木綿・麻など」に対応。側面上部の「緩流用パルセーター(4枚羽)」で「化せん・毛・絹など」に対応するというもの。緩流用は「新しい化せん地に」というわけ。

 ※前年の昭和30年から人絹が「レーヨン糸」、スフが「レーヨン・ステープル」と改称されたので、それらを「新しい化せん地」と言う。

 下方の「新・うずまき式」(渦巻き式)は、現在に至るまで採用されている方式。噴流などと違って力強い渦巻きだから「洗たく量が多い」ときでも「洗たく時間が短い」のが特長だ。

 昭和30年当時の勤労世帯実収入(月)が2万9000円だったから、洗濯機は超高価な電化製品だったのである。

 当時の洗濯機事情を知りたい方は、本ブログ【昭和世情史】の各ページをご覧ください。

【138】昭和の生活(67) 「電化器具」の花形C 洗濯機<概略> (昭和30年代)
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2016年07月07日

昭和乙ニュース(175)コンクリートの中の男 昭和29年

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 イギリス映画『コンクリートの中の男』の紹介記事。思わせぶりな邦題だが、ラストシーンで主人公が「流れ落ちるコンクリートの海のなかに生き理めになって死んでしまう」から、そのものズバリ。ちなみに原題は『Give Us This Day』。

 レンガ職工ジェレミオは、親友に紹介された女性アンナジアータと結婚。夢見た家は「千ドルで、五百ドル前納せねば入れない」ことがわかり、「ブルックリンのうす汚ないアパート」で暮らすことになる。でもあきらめない。「貯金の額を、壁に次々と書き込んで行く」。

 生活は苦しいが、それでも「四人の子供」が生まれ、幸せかと思われたが、ジェレミオは「世界的不況で仕事にもありつけなくなる」。というわけで、より稼ぎの多い「危険な仕事を引き受け」ることになるのだが、それが命取りになってしまう。

 1949年(昭和24年)製作だが、日本公開はその5年後。娯楽映画で満員御礼の時代に「労働者の悲哀を描く」作品が受けたかどうかは不明。文末に「7日から16日まで丸ノ内日活」とあるから、興行側も最初からロングランなど期待していなかったと思われる。

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▲主人公が「流れ落ちるコンクリートの海のなかに生き理めになって死んでしまう」シーン。迫力あり。

画像:朝日新聞夕/昭和29年8月5日


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2016年07月09日

昭和乙ニュース(176)妻の死体を物置に二年 昭和30年

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「クズ屋宮本幹三郎(六〇)」が「荒川署に捕まった」。容疑は死体遺棄罪。病死した内妻を「着物でぐるぐる巻きにして物置にしまって」おいたのが露見したのだ。

「葬式代を出す金もない」とはいえ、死体を埋葬せずに放置すると死体遺棄罪に問われる。3年以下の懲役刑。

 ところが荒川署は「幹三郎が殺したのではないか」と疑っているらしい。だから「一応死体遺棄罪で逮捕」。殺人であれば埋葬義務がないから遺棄にはならない。

 それにしても60歳の男は「老人」なのか。死体遺棄事件よりも、そっちのほうが気になってしまう。

 今どきの場合。葬式代がなくて困った場合は、故人が生前に社会保険や国民健康保険に加入していれば埋葬料や葬祭費が支給されるのでご安心。

 東京23区なら一律7万円が支給される。ただし申請の要あり。

画像:朝日新聞夕/昭和30年5月26日

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