2016年11月01日

昭和乙ニュース(225)けんかの仕返しは全員で 昭和41年

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 蒲田署に逮捕された暴力団員が「出入り」していた大田区の「目蒲線矢口ノ渡駅周辺の盛り場」は、今どきに直せば「多摩川線矢口渡駅周辺の盛り場」となる。盛り場など、とっくの昔からないけど。

 さらに「矢口ノ渡一帯は町工場の密集地帯」とあるが、これも今どきは民家の密集地帯。町工場はごくわずかしかない。

 直接的な逮捕理由は、大田区内の路上で「通りがかりのバーテン(二六)」に対して「なぐるけるの暴行」をしたから。1月22日のことだ。

 調べていくと、その2日前、暴力団員は「無職少年(一八)」を仲間に引き入れて「国星会」というグループを結成していたことが判明。

 集めた会員は「三十三人(うち少年二十三人)」、入会にあたって「入会金千円、会費月五百円」が必要だった。会則は「@けんかの仕返しは全員でやる」「A会員は毎月一人新会員をふやす」など。入会すると「会員バッチ」がもらえた。

 結局、11月1日までに「暴力行為、脅迫などの容疑」で「同会会員(暴力団員)九人を逮捕、少年十八人を補導」ということになった。会員のほとんどは「地方から出て来た工員や店員たち」だったようだが、「仕返し全員」「毎月会員ふやせ」といった会則を守れるのなら、実社会でも律儀な行員、店員になれたと思うのだが。

 残念ながら、その後は不明。

画像:朝日新聞/昭和42年11月12日

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2016年11月03日

昭和乙ニュース(226)馬車で家ごと引越し 昭和22年

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 昭和22年6月、「四國は松山市」で撮られた引っ越し風景。くつろぐ子供ごと「わが家」を荷台に載せ、お父さんらしき人が馬の手綱を引っ張っている様子。

「せまいながらもわが家」とあるが、1馬力で運ぶことができるのだから、かなり小さい。でも「かけがえのない住家」なのだ。記者は「悲しい風景でもある」と言うが、大きなお世話だよね。

 今どき、かなり大きな一軒家に住み、買い物難民となっている老夫婦一家なら、「悲しい風景でもある」と言ってもいい。

画像:朝日新聞/昭和22年6月3日

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2016年11月05日

昭和乙ニュース(227)牛乳配達クン、泥棒を追跡 昭和42年

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 12月1日午前6時20分、新宿の空がようやく白みかけてきたころ、三栄町のアパートに賊が忍び込んだ。 注意深く、抜き足差し足・・・マージャン荘店員の女性(一九)の部屋にカギがかかっていないことがわかると、すぐに侵入。

 要するにコソ泥なのだが、よせばいいのに、女性に「乱暴しようとした」から大胆不敵。でも、驚いた女性が「ドロボウ」と叫んだものだから、あわてて「まくら元から二万五千円入り財布を奪って逃げた」。

 ここから第二幕。アパートに牛乳配達にきた青年(二二)が騒ぎに気付き、逃げる賊を追いかけたから万事休す。なにしろ青年は山口県の「中学陸上競技大会走高とびで優勝したこともあるスポーツマン」。ついに「近くの路上で格闘の末取押さえ」られ、四谷署につき出された。

 調べによると、賊は市ヶ谷に住むバーテン(二七)。「こづかい銭ほしさにやった」と自供したらしい。コソ泥ならコソ泥らしくすればいいのに、おそらく窃盗罪+住居侵入罪+強姦未遂となるから、罪は重い。

 一方、元陸上競技選手の「牛乳配達クン」には、「警視総監賞を贈る手続き」がとられるそうだ。

画像:朝日新聞夕/昭和42年12月1日

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2016年11月07日

昭和乙ニュース(228)通勤で“夫婦ドロ” 昭和23年

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 ある意味、理想的な夫婦。なにしろ「松戸の旅館」を拠点にして「毎夜二人づれ」で東京方面に出稼ぎに出るというんだから、仲睦まじい。仕事はドロボウだけど。

 でも運が尽きる日が来た。あたりが寝静まった午前1時ごろ、杉並区の会社重役宅に「侵入しようとした」ものの、同家の住人に見つかり、交番につき出されてしまったのだ。

 調べてみると、同夜、中野区にも出稼ぎに行ったらしく、マッサージ業(三八)宅の「ものほしからカツぱらつた」と思われる「子供夏服など約十点」を持っていた。完全にアウト。

 夫婦は前科一犯の男(二八)と内妻(二〇)。「あんた、お手のもんでしょ。わたし手伝うから」と内妻が言い出したのか、あるいは「見張りがいれば鬼に金棒よ」と前科一犯が誘ったのかは不明。

 いずれにしても勤勉で努力家であることは間違いなし。ドロボウにしておくには、もったいない二人なのだ。

画像:朝日新聞/昭和23年6月24日

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2016年11月09日

昭和乙ニュース(229)やさしい国語に結論 昭和31年

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 文部省の国語審議会が出した結論と建議。内容は以下の通り。

▽同意漢学の書きかえ=終戦の翌年、簡素化された当用漢字(1850字)を決めてやったのに、いまだに難しい漢字を使いたがるから困ったもんだ。特に「三百二語」は要書き換え。たとえば叡智⇒英知、臆測⇒憶測、火焔⇒火炎、稀釈⇒稀釈、奇蹟⇒奇跡、外廓⇒外郭などだ。

▽ローマ字教育=捨てたもんじゃないのがローマ字。なんせ、「言葉のきまりや働き」が児童に理解しやすい。だから今後は、「よりローマ字教育を充実する」。

▽正書法について=「あいそずかし」に「あいそづかし」、「さしずめ」に「さしづめ」。悩まないように「語の組立てや、語からくる連想」で説明づけるようにする。

▽話しことば=「話しことば(音声言語)の研究」はお寒い限り。要するに怠慢だから「国語、教育の両研究所で改善案を考え」ろ。

 なお「第三期の同審議会委員五十人(定員七十人)は七月中旬全員が任期満了」(そんなにいたのか)。すぐに「新委員が推薦される」(総とっかえではなく、毎回、同じメンバー)。・・・船頭多くして船山に登るの典型例かも。
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▲上段=当用漢字にない漢語、下段=書きかえ語。

画像:朝日新聞/昭和31年7月6日

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