2017年01月15日

昭和乙ニュース(245)アルサロで短銃撃つ 昭和40年

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 アルサロ「女の都」三階の便所近く、氷屋の住込み店員(26歳)がピストルで左わき腹を撃たれ、「盲管銃創で重体」となった。「盲管銃創」とは銃弾が体内にとどまっている傷のこと。重篤。

 犯人は「角刈り、サングラスをかけ、ヤクザ風」の男(22〜3歳)。直前に「足をふんだ」「ふまぬ」で口論となっていたらしい。「大阪府警捜査一課と南署」は「暴力団関係者」ではないかとみているが、風体からすれば誰だってそう思う。

 事件発生は「午後十一時の閉店間際」。土曜の夜だったこともあり「三階四十六の席」は満員状態。店内は「バンドやコメット(クラッカー)の音」で騒然としていたから、騒ぎに気付かず「閉店まで飲み続ける客」もいたらしい。今どきなら考えられないけど。

 ちなみに「アルサロ」とはアルバイト・サロンを縮めたもの。文字通り、BGや主婦がアルバイトで社交係(ホステス)として働くキャバレーのこと。発祥は大阪。「女の都」も繁華街「大阪市南区坂町」(現在は中央区)にあった。

「アルサロ」は死語となってしまったが、昭和6年創業の「白いばら」(銀座3丁目)はいまだに健在。他人の足を踏んでも、素直に「すいません」と言うクセをつけておけば、「盲管銃創」になることはないと思う。


画像:朝日新聞/昭和40年06月13日

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2017年01月17日

昭和乙ニュース(246)三共のアイスクリームミックス 昭和38年

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「お湯でサッとといて電気冷蔵庫へ入れるだけ」の「三共のアイスクリームミックス」。「フリーザーなしでもOK」とある。

 所要時間は不明。「サッとといた」ものが「おいしさ超A級のアイスクリーム」になるらしいが、おそらく食感はソフトでなく、氷菓子に近かったのではないかと思われる。

 当時、協同乳業などから銀紙に包まれた四角柱状・棒付きの「ホームランバー」が発売されていて、お代は1本10円。アイスキャンデーの2倍もしたが、舌の熱で溶け出すくらいクリーミーだった。

「三共の・・・」の場合、「約二十人分」で「二五〇円」だから1人前12.5円。ホームランバーよりも高いし、出来上がりが氷菓子風だったとしたら、「お店のアイスのほうがいいネ」ということになりかねない。

 思い返してみても、手づくりアイスクリームに遭遇した経験はない。同じ「お米屋さんがもってくる」プラッシーは飲んだことがあるけど。

 というわけで、それほど売れなかったのではないか。乾物屋などの店先に並ぶことがなかったから、パッケージも見覚えがない。

 再発売されるなら買ってみたいとは思うものの、今どきは、乳脂肪分がどうのこうのと「アイスクリーム」表示にうるさいから、商品名は要変更。

 そのままの名前にするなら、広告に「ミルクがいっぱい」と書くだけではなく、実際に「ミルクがいっぱい」にしなくてはならないから、高級食材になりそ。

画像:朝日新聞夕/昭和38年6月12日

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2017年01月19日

昭和乙ニュース(247)列車座席券は違法 昭和24年

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 国鉄の「へいわ号」は1等展望車、食堂車を連結した10両編成。昭和24年9月15日の大規模ダイヤ改正で登場した戦後初の特別急行だ。5年ぶりの復活となる。

 途中、電気機関車と蒸気機関車の交換が必要なため、浜松駅で上り下りとも5分停車する必要があるが、 東京大阪間の所要時間は9時間。昭和9年12月改正時の「燕号」は8時間だったから、着実に戦前のレベルに戻りつつあった。

 その特急に問題ありと言い出したのが「法務府法制意見局」。発端は「國鉄が三等に座席券発賣の計画を立て、物價廳に價格指定を求めた」こと。それに対し法務府は「物價統制令違反と断じた」のだ。根拠は「席に座るのは当たり前、その料金は普通旅客運賃に含まれているだろ」というもの。

 少しでも収益をアップしたい国鉄は、「へいわ号」の三等に限り「特急料金四百円のほかに二百五十円程度のものを発駅着席券代りに加算」するつもりだったのだが、「一部の反対」があって企画倒れの残念無念。でも「座席券」という名目なら「運賃法第九條によつて運輸大臣だけの権限で実施できる」と解釈し、「物價廳、法務府との下相談もなく賣り出した」のであった。

 おそらく「下相談」があったら問題ありとはならなかったんだろうな。今も昔も、お役所にとってお金以上に大事なのは面子だもの。

画像:朝日新聞/昭和24年10月4日


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2017年01月21日

昭和乙ニュース(248)坊や テレビ持ってきて! 昭和36年

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 新発売されたのは「お子さまでも運べる小型テレビ」。どのくらい軽いのかと思ったら、8.6キロだからビックリ。ペットボトルに換算すると、およそ2リットル4本+500ミリリットル1本。「坊や」が持ち運ぶには、ちょっとばかり辛いのではないか。

 画面サイズは8型(インチ)。当時、真空管のテレビでは「世界最小」だったらしいのだが、奥行きが338ミリあるから、今どきのタブレットPCのようなお手軽感はない。

 ただし値段は安価。主流だった14型が5万9800円だったが、こちらは3万9800円。1年前の昭和35年にソニーが発売した「TV8-301」は、同じ8型で6万9800円。オールトランジスタ式だったけど。

 ちなみに昭和36年度、サラリーマンの平均月収は2万円ほどだった。今どきは軽く30万円を超えているから、15倍以上。となると、当時の3万9800円は60万円近い価値。

 ・・・そんなもの、坊やに「テレビ持ってきて!」などと頼めません。

画像:朝日新聞夕/昭和36年4月29日

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2017年01月23日

昭和乙ニュース(249)新手詐欺師 昭和25年

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 原宿署が新手の詐欺師(四六)を送検した。

 調べによると、詐欺師は「墨田区のハチミツ卸商」から「ハチミツ四十カン、アズキ十カン(時価四十万五千円)」を購入。その際、「二万円の手付」を支払った。

 おそらく「カン」は一斗缶のこと。ハチミツの場合「1カン=25キロ」、アズキなら「1カン=15キロ」となるから、合計1150キロとなる。金額を今どきの価値に直せば、四十万五千円=約1400万円、二万円=約70万円。手付金の額もハンパではない。

 当然ながら、のちに「残金を請求」されることになるのだが、詐欺師は言葉巧みに「新宿区角筈の某料理店で拂うから」と誘い出し、「使用人という男」を差し向けて接待。その間に詐欺師は「ドロン」してしまった。 後日わかったことは、「使用人という男」は「なにも知らぬ臨時仕立てのルンペン」だったこと。

 購入時に手付金を払っているから詐欺罪には問われず、せいぜい債務不履行なのだが、料理店での接待が「かたり詐欺」に当たると思われる。というわけで「新手」の詐欺ということなんだろう。

画像:朝日新聞/昭和25年11月17日

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