2018年06月19日

昭和乙ニュース(347)キレタ電球ヲ直ス機械 昭和22年

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 戦後の混乱期、電球の生産量は回復傾向にあり、政府は各家庭にガス入電球2個を年内に配給する計画を立て、電球の切符制を導入した。

 ところが配給は滞るばかり。しかも、激しいインフレのため公定価格が急騰。60W球1個9円83銭だったものが、またたく間に22円65銭になった。

 闇市に行けば入手できたものの、ほとんどが粗悪品にもかかわらず高値だった。

 そんなところに「キレタ電球ヲ直ス機械」が登場。その名は「スーパースポット」。販売は「關東商事」で「東京高波」という会社の製品。

 廃電球を再生するから「電球更生」。他社の機械では「ヒラメント溶接不能」という欠点があるが、「スーパースポット」なら問題なし。「本邦最優秀品」で「最高級品」というわけ。ただし、お代は「金三千九百圓也」。

 高いか安いか・・・当時封切られた『素晴らしい日曜日』(監督:黒澤明)は、敗戦後の東京を舞台に恋人たちの日常を描いた作品。当時の物価を知るにはとても参考になる。それによると、

 二人の若者の給料=合わせて1200円
 コーヒー=5円
 音楽会入場料=A席25円、B席10円
 6畳のアパート=家賃600円
 文化住宅(15坪)=10万円

 おそらく、「金三千九百圓也」を今どきの価値に直せば40〜50万円といったところか。ちょっと高いな。

 新聞広告から3年後、昭和25年に朝鮮動乱が勃発。特需景気によって日本の製造業は軒並み業績好転。電球製造も順調となり、供給量も価格も安定した。

「スーパースポット」を買った企業は不明だが、廃電球を再生することなく、新品と交換してしまう時代がすぐにやってくるとは思いもよらなかっただろう。

画像:朝日新聞/昭和22年5月23日

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 昭和乙ニュース