2015年04月07日

昭和乙ニュース(01) 花より食糧 帝都の櫻だより 昭和21年

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<昭和乙ニュース>の『乙』は、甲乙の乙。要するにB級だ。今どきの「おつかれさま」の意はない。滑稽あり悲惨あり、はたまたお間抜けあり。

 花見シーズン真っ盛り。中国韓国からの花見客がドッと押し寄せ、どこもかしこも大盛況だが、今から69年前の昭和21年の花見は<花より食糧>だった。

 朝日新聞(同年4月8日付)に掲載された<帝都の櫻だより>は愉快。満開のサクラの下、軍帽にオーバーを着込んだ男どもが、天秤棒に大きなサカナを振り分け、黙々と歩いている様子が紹介されているのだ。

 撮影地が神奈川県真鶴とあるから、おそらく新井城跡公園だと思われる。真鶴の漁港で漁師から仕入れ、帰途につく途中なのだろう。

 5日後の同新聞に<半数以上が配給遅延 都の食糧事情再び悪化>とあり、<都民の食糧半分は闇>と嘆いている。

画像:朝日新聞/昭和21年4月8日

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2015年04月09日

昭和乙ニュース(02)若い燕を殺害 昭和20年

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「ツバメくらいで、なにを大袈裟な」と思うのは40代以前の人。「痴話喧嘩の末の男殺しか」と思うのは50代以降の人。年上の女性に可愛がられる若い男のことを「若い燕」という。

 依頼した女は、ホテル経営者大谷くに37歳。殺された若い燕は小野林蔵28歳。

「酒癖悪く何もせずに小遣いばかりせびる」小野に愛想を尽かした大谷は、知り合いの男3人に「小野を片附けてくれ」と頼んでいた。

 たまたま小野+男3人を引き連れて銀座で飲んでいた大谷は、小野に別れ話を持ちかけるも「小野はこれを肯んせずなぐりつけた」から大変。大谷に同情した男3人は「殺意を固め」る。

 大谷を残し「内幸橋附近のガード下」で小野を殴りつけた男3人だが、そこで止めときゃよかったのに、さらに「直径一寸長さ二尺位の鉄棒で後頭部を殴って」しまった。結局、「惨殺」。「死体を外濠に投じ逃走した」のであった。

 事件から3日後、男3人は逮捕。「横浜の不良」とはいえ、記事を読む限りにおいては悪人には思えないのだ。

画像:朝日新聞/昭和20年10月22日

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2015年04月11日

昭和乙ニュース(03)はぎとり女捕まる 昭和24年

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 幼児が着ている衣類を身ぐるみ剥ぎとってしまう女を上野署が捕まえた。相良しげ30歳だ。

 被害にあった幼児は8人。ゲタ箱で名前をチェックしたあと『「親類のもの」または「洋服屋」といって教室から子供を呼び出し、新しい服をやるからと裸にして逃げていた』のだ。

 人相手配に『子供達のハギ取り女』とあったようだが、窃盗に<はぎとり>というジャンルがあったのかどうかは不明。というより、詐欺になるのかも。

 やることなすことオトナ顔負けの子供が多くなった昨今、果たして相良しげは何人からはぎとることが出来るだろう。

画像:朝日新聞/昭和24年6月17日

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2015年04月13日

昭和乙ニュース(04)杉の仙人 須田老人上京 昭和30年

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 大衆作家の集まりである<東京作家クラブニ十七日会>に招待され、「雪の深い福島県耶麻郡熱塩加納村から上京」してきたのが須田良輔さん。別名「杉の仙人」。「須田老」とあるが、このとき69歳。今どきなら怒られると思うけど。

 山奥とは「雪の深い福島県耶麻郡熱塩加納村」。前年(昭和29年)に熱塩村(あつしおむら)と加納村(かのうむら)、および朝倉村の一部が合併して熱塩加納村となったところ。温泉で有名。現在は平成18年の新設合併で喜多方市となっている。

 なぜ仙人か。「人間はきらいだと家族を捨てて山奥に住み、四十二年間杉ばかりを植えている」かららしい。その「孤独に耐えて山を美しくしてきた」仙人を「御徒町の大衆料亭」でねぎらおうというわけだ。

「山奥のままの姿」で上京した仙人には「遠大な目的」があった。熱塩温泉(福島県)から仙人の住む山奥を通って米沢市(山形県)に抜ける観光道路が出来るので、「沿道一帯に杉林をつくろう」というもの。観光道路とは現在の大峠道路(25.5Km)だ。通称大峠レインボーライン。

「杉苗一本五円、手入れの費用五円を加えて金十円ナリ」を投資すれば、「その人の名の杉として村や須田老が育てる」。で、「木を伐るような場合、その代金は投資者のもの」という仕組み。「作家連がこぞって応援する」ということになり「こンなうれスいことねェだ」と仙人。

 なんだか利殖商法っぽいのだが、仙人に関する続報はない。

画像:朝日新聞/昭和30年1月18日
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2015年04月15日

昭和乙ニュース(05)女子警察官登場 昭和21年

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 昭和21年3月、進駐軍の指導により、日本初の婦人警察官が採用された。

 画像は同年2月22日付の朝日新聞。「浅黄色のツーピース」「白シャツに臙脂のネクタイ」「進駐軍の將兵が被る樣な帽子姿」は、「帝都の一流デザイナーが意匠をこらした」ものらしい。

 応募資格は「二十歳から三十歳までの女學校卒」で、身長150センチ以上の都内在住者。フタを開けたら応募者数1673人、26.5倍の難関を突破したのは63人。戦争未亡人3人も合格した。給料279円50銭也。都の公務員(男子)よりも安かった。

 警察官ではあるものの執行(逮捕)権はなく、おもに少年補導や売春婦取り締まりなどを担当。2000年、男女雇用機会均等法が全面改正され、女性警察官という呼称に改められることになる。

画像:朝日新聞/昭和21年2月22日

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